献本(けんぽん)の意味を説明
献本とは、個人や組織が書籍を第三者に進呈すること。また、進呈されたその書籍そのもの。読み方は「けんぽん」。◆書評ブロガーに新刊本を献本する。
宣伝効果を狙う出版社
例えば個人が図書館などに献本する場合、その目的は「社会全体に対して利益を還元する」といった奉仕精神に基づく場合が多い。しかしながら、出版社が献本を第三者に行う場合、「自社が販売する書籍の宣伝効果を狙う」という商業的な目的が大半を占める。感想や書評がネット上などで公開されることで、それが献本した書籍の宣伝に繋がる。いわば献本という行為は、一種の「無言の宣伝依頼」という意味合いが強い。
そのためポジティブな影響力を持ったブロガーや有名人に献本されることが多い。ただし影響力があったとしても、辛口な批評や酷評などが多い、出版社側の立場から考えるとネガティブなブロガーや有名人に献本されることは珍しい。
注意点
出版社が第三者に献本を行うときの注意点としては、その「書籍のポイントやウリ」を記載した手紙をセットに同梱して送付することがベター。何故ならポイントやウリが絞られていることで、その書籍の紹介をしやすくなるからである。また書籍を一冊読み終わるのも時間がかかるため、あらかじめポイントとなるページ数を記載しておけば読了スピードが早まる。それは結果的に、ネット上で宣伝されるまでの時間短縮にも繋がるからである。
そして簡単なあいさつも書いておけば出版社に対して好感を持つので、献本された書籍に対するポジティブな感想や書評を得やすい。そういった送付状も同梱しておくことは、感想を公開させるための精神的プレッシャーを与えることになるため、献本が無駄に終わる可能性が少なくなる。
出版社側が使う用語
ちなみに「献本」という行為は、進呈した側の出版社などが使う用語。基本的には進呈する側の自発的な善意の意志によって行われるため、あくまで関係的には進呈する側の立場が上である。つまり「献本されました」という表現は正しくなく、進呈をされた側が使う場合は「恵贈(恵投)されました」と書くのが正しいとされる。
ただし冒頭にもあるように、献本という用語には「進呈された書籍そのもの」という意味も含まれているので、「献本を頂きました」という表現は決して間違ってはいない。
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