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江戸しぐさとは?

江戸しぐさの意味を説明

江戸しぐさとは、江戸時代の町民が身につけていたとされるマナーのこと。「おあいにく目つき」「束の間付き合い」「仁王しぐさ」「時泥棒」「こぶし腰浮かせ」「傘かしげ」「肩引き」などがある。

しかしながら実態は、1980年代頃に芝三光というオッサンが発案・考案した架空の作法。いわゆる都市伝説や迷信の一種。江戸しぐさに関する文献資料などは明治政府や秘密組織の手によって燃やされたとされるが、それを信じる者は基本的にいない(笑)



この江戸しぐさが広まったキッカケは、読売新聞が「編集手帳」で1981年に紹介したことが発端とされる。そして捏造の片棒を担いだのは読売新聞だけではなく、2000年代に入ってからも公共広告機構(現・ACジャパン)が2005年に取り上げるなどして加速度的に広まってしまった。

そして2012年度には育鵬社という右翼系出版社が、公民の教科書に江戸しぐさを取り上げる。そのため育鵬社の教科書を使っている生徒たちは、世間から嘲笑の的として見下される羽目になった。2010年代半ば頃、安倍晋三といった一部自民党では、この江戸しぐさを道徳教育の一環で使おうとしている。

どこが捏造ポイントか?

第六感を働かせるという意味の「ロクを利かす」。要するにインスピレーションのことを指しているが、そもそも「第六感」という言葉が、日本で一般的に普及したのは昭和時代後半。当然、江戸時代に第六感(ロク)という表現を使うはずがない。

雨の日に通行人がすれ違うときに傘を傾けるという「傘かしげ」。江戸時代には当然和傘しかなかったわけだが、基本的に和傘はすぼめるのがマナー。わざわざ傘を傾ける必要性はなく、そもそも洋傘が普及する現代に至るまでそんな文化は存在しない。

時間を守れないことは大罪という意味の「時泥棒」。しかしながら庶民に時計が普及したのは近現代の話。江戸時代の町民が時計を所有していたはずがなく、当然、時間という概念に縛られていたはずがない。だから当時の日本人がそこまで時間にナーバスになっていたとは考えにくい。

非喫煙者が同席する場では喫煙をしない、といったタバコのマナーに関する「喫煙しぐさ」。江戸時代の喫煙率は『狂歌煙草百首』といった文献によると90%台後半。「非喫煙者が同席する場では喫煙をしなかった」ということは常識的に考えるまでもなく、江戸時代にそんなマナーが存在したはずがない。

…などなど間違い探しをしてみると面白いと評判である。
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