アジアインフラ投資銀行(AIIB)の意味を説明
アジアインフラ投資銀行とは、開発途上国のインフラ整備など経済的支援を目的とした国際的な金融機関のこと。規模としては世界最大級。世界銀行やIMFなどと積極的に連携している。正式名称は英語で「Asian Infrastructure Investment Bank」。それぞれの頭文字をとって「AIIB」という略語が一般的に使われる。また「アジア投資銀」や「アジア投銀」という略称も使われる。
2013年10月のAPECで習近平が新シルクロード経済構想の一部として提唱。2015年3月末の申請期限までにイギリスやドイツなど全52カ国地域が参加表明した。最終的には57カ国が創設国メンバーとして認められた。4月18日に閉幕したG20ではAIIBを支持する声が多く、産経新聞などは「アジア投銀 広がる支持」という見出しの記事を書いた。
理由
既に日本やアメリカが主導するアジア開発銀行(ADB)などがあるが、アジア各国の経済発展は著しく、毎年7000億ドル以上ともいわれるインフラ需要に完全に対応できていなかったのが現状。日本やアメリカはTPP(環太平洋経済連携協定)などで中国を経済的な圧力をかけようとしていた経緯があり、当時の安部総理などは政治的なメンツを保つため当初は参加見送りを表明するなど幼稚な牽制を図った。ドイツの首相だったメルケルが参加の呼びかけをしても、かたくなに日本政府は拒否を貫いた。イギリスのエコノミスト誌などは、AIIBを素直に受け入れるのがベストな選択であるとアメリカを批判した。
ただ中国側もアメリカや日本が参加しなければ、銀行の格付けが下がることを不安視されている。そのため一方的に中国に権限が集中することはないとされ、中国側は「申請期限にこだわらず日米の参加を待っている」のも現状である。
創設国メンバー57カ国
アジア
中国・韓国・インド・インドネシア・シンガポール・フィリピン・モンゴル・マレーシア・ブルネイ・タイ・ベトナム・ラオス・カンボジア・ミャンマー・パキスタン・バングラデシュ・スリランカ・ネパール・モルディブ(台湾と香港はのちに中国の意向で除外される)ヨーロッパ
イギリス・フランス・ドイツ・イタリア・ポルトガル・スペイン・オランダ・オーストリア・スイス・ノルウェー・スウェーデン・フィンランド・デンマーク・アイスランド・ルクセンブルク・マルタ・ポーランド中東アフリカ
トルコ・サウジアラビア・クウェート・オマーン・カタール・イラン・イスラエル・アラブ首長国連邦・エジプト・ヨルダン・南アフリカ共和国旧ソ連
ロシア・カザフスタン・ウズベキスタン・タジキスタン・キルギス・グルジア・アゼルバイジャンその他地域
オーストラリア・ニュージーランド・ブラジル【スポンサーリンク】